姫路城〜大阪城100kmウォーク【2026.1.17-18】

その他

はじめに

きっかけは六甲祭(神戸大学学校祭)の打ち上げだった。

この度部長に就任したのだけれど、正直なところ「やりたいこと」が何もない。

むしろ“長としての責任”とか“組織を続けるための努力”とか“提出書類”とか“残り少ない部費”とか、そういう単語を思い浮かべるだけで士気が下がっていく。逃げ出したい。

なにやってんだ!

勝手に精神的にしんどくなって、勝手に落ち込んでいた。

そんな折、「どんな企画やります?」みたいな話になって、先輩たちから適当に、

「100kmウォークやったら?」

と提案された。

(逡巡)

……やることにした。

吹っ切れたい。

な〜んもやりたくない。でも、なんかはやりたい。

そんな矛盾の行き先として、100kmウォークはちょうどよかった。

最初は「彦根城から大阪城(105km)」案も出たけど、彦根までの交通費が嫌すぎて却下。

結果、姫路城から大阪城までの100kmルートを歩くことにした。関西エクストリームウォーク100でも使われた、ネットに公開されているルートだ。

日程は 1/17〜1/18

大学のテスト期間を避けられるし、トレーニング期間も確保できる。

ただし、日をまたいで 25時間前後、不眠で歩き続けることになる。

グループLINEで参加者を募ると、意外にも自分含めて4人集まった。

来るんだ……。

かくして、私たちは100kmを歩くことになった。

1/17当日

今ごろ世の受験生は共通テスト。京大文学部志望の友人が2人いる。

一浪と二浪。がんばってんのやろなあ。

そんなことを考えつつ、私はというとシャワーをゆっくり浴びてしまい、姫路駅12:00集合に10分遅刻

申し訳ない。

当日集まったのは自分含めて数人。

(直前でバイトが入ってしまい、来られなくなった人もいた。)

準備は一応していた。

コンサートホールの搬入出バイトを多めに入れて、10時間働いたあと15km歩いて帰ったりしていた。

ただ、そのバイトで背中を痛めて早上がりしてからというもの、ウォークまでの1週間は全く運動できていない。そこだけが不安。

ここからは、グループLINEに残していた活動メモを見ながら振り返っていく。

12:26 出発:晴天、抹茶チョコ、最高

12:26

姫路公園東御屋敷跡公園を出発。とても晴れていて、気分がいい。

メンバー全員気力にあふれている。

エネルギー切れは嫌なので、行動食として持参したお得用抹茶チョコをぱくつきながら歩く。

たぶん一粒で1km歩ける。

クリームチーズたい焼きとプチトマトも食べた。うまい!

16:17 CP1 鶴林寺公園:まだ余裕

16:17

CP1 鶴林寺公園到着。さすがに余裕。

同行者のひとりは過去に100kmウォーク経験者らしい。

六甲全山(約50km)を短時間で縦走してしまうような人なので、まあ強い。

……と思いきや、今日の装備がナメている。

靴は破けたランニングシューズだし、バッグの中にはホッチキスとか関数電卓とか入っていた。

普段使いのバッグ、そのまま持ってきちゃったの?

関数の微分しないよ?

ローソンでおやつを買う。

アジフライをLチキ用バンズで挟んだやつ。アジフライ半額で200円くらい。美味い。

晩ご飯は「資さんうどん」に行きたかったけど行列で断念し、近くの定食屋へ。

21:22 CP2 上ケ池公園:痛みが見えてくる

21:22

CP2 上ケ池公園到着。足裏に少し痛み。でもまだ行けそう。

国道2号を北に進む。

ここまでもここからも、そして人生も、基本的に国道2号を北に進む(?)。

国道沿いに点在するチェーン店は日本の縮図で、地方都市の街並みが好きな私はずっとテンションが高かった。

ただ、30km地点で楽しすぎると、この先がもたない気もして、心を抑え気味に。

22:15 じごくのはじまり:ずっと痛い

22:15

じごくのはじまり。

脚が痛い。

足裏のジンとした痛みと、ふくらはぎの張るような痛みがずっとある。

これからの歩みに「痛みがない瞬間」がない。ずっと痛い。

ここから辛くなることはあっても、これより楽になることはない。

絶望。

長い夜。刺激が少ない。痛みが常に意識される。

そんなとき、同行者のひとりが言い出す。

「パインアメ買いたいから、300m道外れたコンビニ行く」

パインアメのためにこの痛い脚で遠回りするの、正気か?と思ったけど、チームで離れるのも嫌なので一緒に行く。

そしてパインアメ。

これが効く。かなり効く。

脚の痛みとか一旦どうでもよくなって、普通に歩ける。

パインアメしゅごいぃ……。

50km地点:リタイア宣言と、甘い誘い

50km地点で、参加者のひとりがリタイアを宣言。

終電などとっくにないのでタクシーを探すことになる。

「一緒にリタイアして帰らへん?」

甘い誘いを受けて、正直揺らぐ。

でも、まだリタイアするほど辛くはないし、ここで帰るのもなんか悔しい。

ということで自分は続行を選んだ。

深夜:パトカーがうれしい

1:33

パトカーが速度違反を取り締まっている。

変化のない道を歩いていると、サイレンすらうれしい。

こんな夜中でも速度違反はバレるぞ!

1:52

またパトカーが取り締まってた。

てか飛ばしすぎなんだよな。横を通る車が全部速い。

3:04 CP3 妙法寺左岸公園:再合流

3:04

CP3 妙法寺左岸公園到着。

途中で離れていた参加者と再合流。

深夜のマクドナルドがテイクアウトのみで店内を使えず、タクシー代だけが消えたらしい。つらい。

ロキソニンが効いてきて少し歩けそうだったので、始発まで歩くことに。

ここらへんから記憶が曖昧。

足裏だけでなく膝も痛み始めていた。

4:01

排便して体が軽くなり調子が上がる(人体ってすごい)。

5:00頃:64kmで本当のリタイア

5:00頃

64km地点のJR神戸駅で、その参加者は本当のリタイア。始発で帰る。

ここからは2人。

いつも電車の車窓から眺める「三宮〜大阪」を、ほとんど無言で歩いていく。

10:14 CP4(みなし):意地が勝つ

10:14

CP4 津門中央公園到着(みなし)。

ずっと眠いし疲れてるし、脚は痛くないところがない。

でも80kmまで来た。

もうこれは、意地でも100kmまで歩くやつだな。

という確信が湧いてくる。

13:01 CP5:もう90km

13:01

CP5 佃ふれあい公園到着。

もう90km地点。

あんまり記憶がない。

淀川がキラキラ光っていて、きれいだった。

16:07 ゴール:大阪城は遠かった

16:07

ゴール!!!!!!!!!

……と言いたいところだが、実際には疲れすぎて

「ごーる…………」

って感じだった。

最後の10kmに3時間かかった。

遠くに見える大阪城を眺めて、少しだけ感動した。

総距離 101.7km

ようやったもんだぜ。

帰宅:最後の最後が一番つらい

電車で帰宅。

最寄り駅から自宅まで歩くのに、普段の3倍時間がかかった。脚が痛すぎて歩けない。

帰宅後は熱い風呂に浸かって、そのまま寝た。

後記:限界に触れた、そして靴は大事

最近、マンガ『孤高の人』を読んだ。

単独者・加藤文太郎の生き様と厳しい山々、そして象徴的に描かれる未踏の地・K2東壁にシビれまくっている。

『孤高の人』の極限にはまだ触れられそうもない。

でも、「個人の限界に挑戦する」という意味で、この100kmウォークは有意義だった。道中はとても楽しかった。またやりたい。

そして長距離ウォークは靴が大事

今回はナイキのAIR MAX ALPHA TRAINER 6で行ったが、辛かった。運動靴じゃないし。

ウォーキングシューズは脚の負担を減らすよう設計されている。欲しい。

ということで、100kmウォークを終えて

ASICSのゲルライドウォーク2 GORE-TEX 防水(1万8000円)

を買ってしまった。